極真空手とは
「極真」と言う名称は、「千日をもって初心とし、万日をもって極みとする」という武道の格言から発したもので「武の真髄を極める」と言う意味がこめられている。
また戦後の空手界において突きや蹴りを相手の体に直接当てることを禁じた「寸止め」ルールが一般的であった事に異を唱え、武道本来がもつ実戦対応能力の重要性を提唱「直接打撃制 ( フルコンタクトルール ) 」を世界で初めて採用した空手です。
そして「頭は低く、目は高く、口慎んで心広く、孝を原点として他を益する」という極真精神を礎とし、極真空手道を通じて人格の淘治と心身の鍛錬をはかり、社会貢献の遂行を目的としています。
さらに、極真空手においては人権・民族・国家・政治・思想・宗教・性別・年齢などによる偏見を廃し極真空手を通じて世界交流を行い世界平和に貢献することを究極の目標とする。
道場訓
道場訓には極真空手を学ぶ上で最も大切な心構えが詰め込まれています。
道場訓の制作には「宮本武蔵」の著者で、昭和を代表する小説家の吉川英治先生が監修されたもので、文語的な古い言い回しが用いられています。
- 一つ、吾々は心身を練磨し確固不抜の心技を極めること
- 一つ、吾々は武の神髄を極め機に発し感に敏なること
- 一つ、吾々は質実剛健を以って克己の精神を涵養すること
- 一つ、吾々は礼節を重んじ長上を敬し粗暴の振舞いを慎むこと
- 一つ、吾々は神仏を尊び謙譲の美徳を忘れざること
- 一つ、吾々は知性と体力とを向上させ事に臨んで過たざること
- 一つ、吾々は生涯の修行を空手の道に通じ極真の道を全うすること
- 吾々は心身を錬磨し、確固不抜の心技を極めること
- 私たちが空手を修業する目的は、自分自身の体と心を鍛えることにあるのです。真剣に稽古に打ち込むことで、どんなことにも動じない、不動心、強い意志といったものを習得していかなくてはなりません。
- 吾々は武の真髄を極め、機に発し感に敏なること
- 武道としての空手の道を徹底的に追究していくことで、私たちはどんな状況でも臨機応変に対処する力、相手の心を理解し思いやりや優しさ、そしてどんなことにも素直に感動できる心を身につけなければなりません。
- 吾々は質実剛健を以って、克己の精神を涵養すること
- 私たちは、決して自分を飾ることなく、真面目で素直に空手の修業に打ち込まなくてはなりません。そして、それによって自分自身に打ち勝つ、強い心を養っていくことを心がけましょう。
- 吾々は礼節を重んじ、長上を敬し粗暴の振る舞いを慎むこと
- 私たちは武道を学ぶことで、しっかりとした礼儀を身につけなければなりません。目上の人を敬う心を養い、空手をたしなんでいるからといって、決して人前で空手の力を誇示してはいけません。
- 吾々は神仏を尊び、謙譲の美徳を忘れざること
- 私たちは人間の力が及ばない自然や宇宙の摂理を重んじなければなりません。と同時に神や仏を敬う心も忘れてはなりません。そう心がけることで、相手のことを大切にし、自分を謙遜する態度が身につくのです。
- 吾々は知性と体力とを向上させ、ことに臨んで過たざること
- 空手の修業は、ただ肉体を鍛えさえすればいいというものではなく、知性と体力をともに向上させていかなくてはなりません。それによって、どんな状況でも焦らず、冷静に対処することができるようになるのです。
- 吾々は生涯の修業を空手の道に通じ、極真の道を全うすること
- 武道としての空手の修業は一生かけて追い求めるものです。一生を通じて極意に一歩でも近づこうとする姿勢、それが極真空手の本義なのです。